ガレット・デ・ロワ で年初め、2016年のBAKE LIFE。

いまさらですが、新年明けましておめでとうございます。
今年もたくさんのおいしいパンたちに出逢いたい、そんな気持ちで迎えた2016年。
年初めのBAKEはフランスの新年のお祝いに欠かせない伝統菓子「 ガレット・デ・ロワ 」。

このブログを始めて初のお正月。歳を重ねるごとに強く思うのが、昔から伝わる伝統や習わし、行事ごとなどを大切に、次の世代にもちゃんと伝えながら日々を過ごすことができたらいいなということ。
日々の忙しさや時間に追われて忘れてしまいがちなことが、毎日を楽しく過ごしていく上で大事なモノだったりするように思う。

子供の頃は祖父と住んでいたので元旦の朝は新年の挨拶をしたらお屠蘇をいただき、おせち料理とお雑煮を食べて団らんした。1月7日には七草がゆを食べ、松の内が開けたら鏡開き、節分には恵方を向いて黙ったまま海苔巻きを1本食べて豆まきをする、そういう季節の行事を行うことが当たり前だった。

大人になり、クリスマスやハロウィンなど海外のイベントごとの華やかさは増していくのに、日本の伝統行事はひとつひとつ欠けていってしっているようで何だか寂しい気がしている。
日本にもパン好きが楽しい昔から伝わる行事なんてものは何かないのだろうか、そんなことをふと考えた。

お祭りや伝統行事、いろんなイベントにまつわるBAKEたち

もともとパンやその他のBAKEなどは海外から来たものが主流なので、日本の伝統行事やお祭りなどで思い浮かぶものはあまりない。けれど、海外のお祭りやイベント以外にも、日本のさまざまな伝統や行事ごとにも目を向け、参加し、より深く知ったり改めて考えたりすることで、新たな発見やパンとの出逢いに繋がっていくのではないかと期待している。

日本や世界のたくさんのBAKEたちと出逢うこと、それが2016年の楽しみであり目標だ。世界中にある様々な種類のおいしいパンや、ケーキや焼菓子をたくさん知って、このブログにしあわせな「BAKE LIFE」を書き綴っていきたい。

そんな2016年のBAKE LIFEは、このフランスの新年のお祝いに欠かすことのできない伝統菓子、「ガレット・デ・ロワ」から始めることにした。

祝福と1年の幸運を運んでくる王様のケーキ「 ガレット・デ・ロワ 」

年初めのBAKEは ガレット・デ・ロワ

「ガレット・デ・ロワ(galette des Rois)」は、1月6日のエピファニー(公現祭)というキリスト教の祝日を祝うお菓子だ。

「ガレット(galette)」とは円形のお菓子、「ロワ(roi)」とは王様のこと。つまり「ガレット・デ・ロワ(galette des Rois)」は「王様のケーキ」という意味になります。
出典:ブルゴーニュの日々「1月のお菓子:ガレット・デ・ロワ」より

「ガレット・デ・ロワ(galette des Rois)」の、「roi(ロワ)」が複数形の「rois」となっているのは、この菓子を食べるエピファニーというお祭りが、キリストの誕生を祝って東方の三博士と呼ばれる3人の王様(rois mages)が来たことを記念するものだとされているから。

このガレット・デ・ロワの中には1つだけ「フェーヴ(仏: fève)」と呼ばれる小さい陶器の人形が入っている。カットして取り分けたピースの中にその「フェーヴ」が入っていた人が「当たり」で、紙で作られた王冠をかぶせてもらい「ロワ・ド・ジュール(rois de jour 今日の王様)」として集まったみんなから祝福され、その1年幸運が続くのだと言われていてる。

王様の証、毎年集めたくなる可愛い陶器のフェーヴたち

年初めはガレット・デ・ロワ

「フェーヴ」とは、フランス語で「そら豆」という意味。昔は本物のそら豆を一粒ケーキにいれていたことからこう呼ばれており、19世紀頃から陶器の人形が使われるようになったとされる。歴史としてはそんなに古くないように感じるが、この陶器の人形のフェーヴ、様々なモチーフの種類のものあってとても人気が高く、コレクターやフェーヴの博物館まであるのだというから驚きだ。

しかし、日本で販売されているガレット・デ・ロワの多くは、このフェーヴは別添えでケーキの中には入っていない。知らない人が噛んだり飲み込んでしまったりする恐れがあるので、フェーヴを中に入れず、代わりにアーモンドなどを入れている。
確かにフランスのように昔から云われや習わしとともにこのケーキを食べる訳ではない日本では、知らずにそのまま食べたり、子どもが口に入れてしまったら大変だからやむを得ないのだろう。

その年の運勢を占う?アカディアのガレット・デ・ロワ

また日本でよく見かけるガレット・デ・ロワは、サクサクの折りパイ生地の中にクレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)が詰められたものだが、フランスの地方によってはパイ生地ではなくブリオッシュ生地のものなどいろんな種類があり、ガレット・デ・ロワ以外にも世界には公現祭に食べるとされる様々なケーキがあるようだ。

そんな地方によって様々な種類が見られるガレット・デ・ロワについて、Wikipediaにちょっと面白いものが載っていたので紹介したい。フランス入植者によって名付けられた、アカディア(英:Acadia、仏:Acadie)と呼ばれていた地域(北米東部大西洋岸、主に現在のアメリカ合衆国メイン州東部とカナダノバスコシア州にあたる)に伝わる伝統的なガレット・デ・ロワについての話だ。

アカディアの伝統的なガレット・デ・ロワはケーキ生地で作られ、王と女王を象徴するエンドウマメとインゲンマメまたは黒と白のボタンが一つずつ入っていた。地域によっては指輪、1セント硬貨、ぼろきれを一つずつ入れて焼いたガレット・デ・ロワを切り分け、公現節の会食の出席者に配り、指輪が当たった人は年内に結婚し、硬貨が当たった人は金持ちになり、ぼろきれが当たった人は貧乏が続くというように、一年間の運勢を占う習慣もあった。
出典:Wikipedia 「アカディアのガレット・デ・ロワ」より

ケーキの中にぼろきれって・・・。これはもう、おみくじや占いというよりも闇鍋か罰ゲームのようではないだろうか(笑)。しかも当たった人は一年間貧乏が続くなんて言われたら、踏んだり蹴ったりではないか。
新年のイベントとしては盛り上がりそうだが、当たった方はたまったものではない。

ちなもにこのガレット・デ・ロワ、日本では一般的にエピファニー(公現祭)の1月6日に食べるものとして広まっているが、いくつかの説がある。フランスでは正式には1月8日に食べることになっているという説や、お正月が明けた最初の日曜日かエピファニー(公現祭)の1月6日または1月8日、また1月に家族や友人などたくさんの人が集まる場では何度も振る舞われるなど、かなりさまざまだ。敬虔なクリスチャンでもない限り、フランス人たちは特に食べる日にちにはこだわっていないのかもしれない。

サクサクのパイと香り豊かなダマンド
地方によっていろんな習わしや伝統があって、決まり事もあるのだろうけれど、大切なのは日にちではない。
みんなで楽しく新年を祝う、きっとそれが大切なのだ。わたしが今回、年初めのBAKEにガレット・デ・ロワを選んだ理由は季節的なこともあるのだが、そんな想いや伝統や習わしがステキだなと思ったから。

ガレット・デ・ロワいうフェーヴの入ったケーキのことは以前から知っていたが、その歴史やいろいろな習わしについて詳しくは知らず、こうしてブログの記事として書くことによって知った。
切り口からフェーブが見えてしまわないように切り分けたピースを目隠しをした子どもたちに配らせるとか、フェーヴが当たって王様になった人はその次の食事会にガレット・デ・ロワをみんなに振舞うとか、切り分けるときは人数分ではなく一人前を余分に残るように切り分ける(貧しい人のためというキリスト教の考えからで、予期しないお客様が突然訪れたときにも振る舞うことが出来るから。)という習慣など、なんだかそういう話を知ったり聞いたりするとワクワクする。

こと食べ物に関してだけではないが、何も知らないよりも、その想いや歴史、背景を知るというのは実に楽しく、おもしろいし、美味しさも格別になるのだとわたしは思っている。
最初にも書いたが、だからこそ今年は日本や世界のたくさんのBAKEたちを知り、出逢う年にしたい。

2016年はたくさんのベーカリーやカフェ、パティスリー、いろんな地域のたくさんのお店を巡りたい!

ルパンコティディアンのマフィン
世界中のいろいろなBAKEを知るためにも、2016年は新しいお店や話題になっているお店、気になっているけどまだ行ったことがないお店にもたくさん行ってみたい。
気になるお店があっても、近くに行く機会があったら寄ってみようとか、行きたいお店リストに入れてはいるけど、なんだか行けずじまいになったままだったりしてしまうことがある。

思うよりもまず行動!じゃないけれど、気になるお店にはどんどん行ってみる、それもひとつの今年のテーマにしたい。たくさんのお店を巡れば、きっとしあわせなパンとの出逢いがたくさんあると思う。

おいしい食パンが食べたい!セントル ザ・ベーカリー(CENTRE THE BAKERY)

有名店の中でも、特に行ってみたい、食べてみたいと思っているのが、銀座の外れにある「セントル ザ・ベーカリー(CENTRE THE BAKERY)」の食パンだ。
バゲットで有名なVIRON系列の2013年にオープンした食パン専門店で、本当においしい食パンを味わうためのお店。昼間はこだわりの詰まった3種類の食パンの販売とその食パンの食べ比べができるサンドイッチカフェ「セントル・ザ・ベーカリー」、夜はVIRON(ヴィロン)のパンやワイン、チーズなどが楽しめる「ラ・カンティーヌ サントル」という、昼と夜で異なる名前とスタイルを持つパン屋さん。

焼き上がり時間が決まっていて、種類によっては午前中しか買えないものもあるらしく、いつ通りかかっても行列が絶えないお店だ。パンと言えば一番なじみ深い食パンの本当のおいしさを知ることができるとなれば、ここは「絶対に行かなくては!」と思わされるお店だ。

もうひとつ、「シュトーレン ?シュトレン?ドイツ伝統のパン菓子。」の記事で、予約して食べたいパン屋さんのシュトレンとして名前を挙げた、豪徳寺にあるパン屋カフェユヌクレさんが、Instagramもステキでとても気になっている。
パンの写真がおいしそうなのもそうなのだが、スタッフさんの日常のひとコマがほっこりする。
背景や人となりが感じられるところがとても興味深く、このお店のパンを食べてみたいと思わせる。
もっと知りたい、食べてみたい、と強く思うパン屋さんだ。

旅先や地元のパン屋さんにも注目したい2016年のBAKE LIFE

ミナトベーカリーのバゲット
その他にも関東近郊のお店だけでなく、地元である関西のお店や、地方のお店にもいろいろ行ってみたいと思っているので、このブログを読んで下さっている方で、穴場のパン屋さんやオススメのパン屋さんがあったらぜひ教えてください!

秋頃には沖縄へ行く計画があり、沖縄には気になるパン屋さんがたくさんあるので、限られた時間の中でたくさんのパンに出逢えるよう、その前にしっかりとリサーチをしておかなくては。

そしてわたしの大好きな地元にも、県外からお客さんが集まってくるくらい人気があるおいしいパン屋さんやカフェなどがあるので、そちらも帰省したタイミングなどで少しずつ紹介していきたいと思っている。
住んでいるときは何もなくて不便だと思っていても、遠く離れていればいるほど、不思議と恋しくなる地元。まぁ都会と比べれば当然地方だなと感じる田舎だが、いいところもたくさんあるのでパン好き目線の地元の良い所をお伝えしていきたい。

つくること、新しいレシピにもたくさん巡り会いたい

レシピもたくさん出逢いたい
たくさんのお店巡りも大きな目標のひとつだが、今年はさらにいろんなパンやBAKEを自分で作ることにもチャレンジしたい。
去年始めてチャレンジしたレーズンでの自家製酵母作りとその自家製酵母で作るパン。新しいことを始めるのは手探りで大変だが、いろんな発見があって楽しい。今年はもう少しあたたかくなって酵母が育ちやすい気候になったら、いろんなフルーツで酵母を作ってみたいと思っている。

いろいろなパン作りに挑戦してレシピもたくさん紹介したいし、パンに合うジャムやコンポート、料理にもたくさん出逢いたいし、作りたい。
本や雑誌もたくさん読んで試行錯誤しながら、しあわせになれるレシピをたくさん見つけたい。

そういえば何年か前の秋に、友人10人くらいと集まってりんご狩りとりんごジャム作りをしに行ったことがあるのだが、大きな鍋を前に大人数で作業を分担しながら行うそれはとても楽しかった記憶がある。
今年もそんな楽しいことができるといいなと思う。

2016年、いろんなBAKEについてもっと知って、たくさん出逢って、ステキな1年が過ごせますように。

クロワッサン

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